『ドリームガールズ』に酔う !
夢見るチカラ。
それがスターの才能でもある。
1981年の12月20日に、ニューヨークのブロードウェイにあるインペリアル・シアターで
オープニングを迎え、大ヒットとなった「マイケル・ベネット」演出の「ドリームガールズ」。
そのブロードウェイ・ミュージカルを、「ビル・コンドン」監督が映画化したのがこの作品。
ショービズの世界に憧れ、夢見る3人の少女がほんの小さな切っ掛けをチャンスに変え、
スターへの階段を駆け上がり、やがて華やかなスポットを浴びて夢を手にする。
そして傷つき、失くした物の大切さに気付いて再び歩き出す。
正にゴールデン・サクセスストーリーだ。
『ドリームガールズ』の前身である『ドリーム・メッツ』のメンバーは、
ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィー(ジェニファー・ハドソン)、
そしてローレル(アニカ・ノニ・ローズ)。三人は、モータウン誕生の地デトロイトで、
オーディションに励む日々。遅刻して何とか滑り込んだステージでチャンスを掴み、
ショービズの海原へと船出することになる。 人気blogランキングへ
オーディションのオープニングから、3人のパフォーマンスは圧倒的だ。
スタンディング・オベーションと喝采に包まれ、オーディションは当確かと思われたが、
いち早く彼女たちの才能を見抜いた、中古車販売を手掛けるカーティス
(ジェイミー・フォックス)は、人気歌手のジェームス(エディー・マーフィー)の
コーラスとして契約の話しを持ちかける。
この黒人レディ3人のトリオはダイアナ・ロスとシュープリームスがモデルとされているが、
『ビョンセ』と来れば、デスチャのトラブルともリンクして面白い。
デビュー時から、キナ臭いカーティスだが、彼もステージとブラックミュージックに
夢を見た男の一人だった。
やがて白人リゾートのメッカであるマイアミのステージに立ったジェームスと3人は、
新しい岐路に立たされることになる。スターダムを駆け上がる『ザ・ドリームス』の3人。
その後姿を寂しく見つめる事になる過ってのスタージェームス。
マネージャーのカーティスは手段を選ばず、彼女達を売り出すことに全てを賭ける。
そして、『ザ・ドリームス』の3人にも転機が訪れる事になる。
リードボーカルをエフィー(ジェニファー・ハドソン)から、白人に受けるルックスの
ディーナ(ビヨンセ)に変えるとカーティスが言い出したのだ。
作曲を手掛けるC.Cもそれに同意するが、それを聞かされた
エフィー(ジェニファー・ハドソン)の表情が切なく胸を熱くする。
カーティス達の作戦は見事に的中し、新生『ドリームガールズ』は、
さらにヒットチャートを駆け上がることになるのだが・・・。
それにしても『ジェニファー・ハドソン』のパフォーマンスは圧倒的だ。
自らの心象を歌い上げる様は、鳥肌もの。
しかし、この映画のキャスティングは、残酷なまでにかなりシビアだ。
落ち目のスターのジェームスに「エディー・マーフィー」、美人だがソウルの足りない
リードボーカルに「ビョンセ」。実力があるがルックスと協調性に欠ける
エフィーに「ジェニファー・ハドソン」を起用するなど、リアルな世界とシンクロさせて、
一層のリアリティをスクリーンに感じさせるのだ。
マイノリティの黒人が、ソウルを売って夢とドルを手に入れる。
女達の夢と友情。男達の野心とマネー。愛と葛藤、光と影が織り成す
目くるめくスピードとハイ・テンションでで70年~80年代を描いて、魅せる。
達也は、コメディタッチでないエディー・マーフィよりも、『コラテラル』の軽妙な役から
今回のシリアスなカーティスを演じた『ジェイミー・フォックス』。
圧倒的歌唱力でオスカーを獲得した『ジェニファー・ハドソン』より、
自らトリックスターを演じて見せた『ビョンセ・ノウルズ』に注目した。
それにしても、流石ハリウッド。
正にブロード・ウェーを全速力で駆け抜ける
ゴールドのキャデラックの様な映画なのでありました。
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- [2007/03/15 09:25]
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