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ブリテッシュなSF『サンシャイン2057』。 

    うわっ、太陽がいっぱい。
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 SF映画を久しぶりに劇場で観た。「ザ・ビーチ」や「28日後…」で知られる『ダニー・ボイル』監督が、脚本の『アレックス・ガーランド』と3度目のタッグを組んだ『サンシャイン2057』。
 映画を見始めた子供の頃からSFジャンルは好きなのだが、映画でしか観れない圧倒的映像がそこにある、と言うのがその理由の一つでもある。CGによるVFXが進歩し、イメージした映像がリアルに再現可能となった今、このジャンルが更に活性化する事を願って止まない。

 さて、映画のストーリーだが、太陽の活動が衰えた2057年、地球は氷河期の様に冷え切って滅亡の危機に瀕していた。絶望的な状況の地球に残された最後の希望は、宇宙船「イカロス2号」に搭載した巨大な核爆弾ペイロードで太陽を活性化させると言うプロジェクトだった。
 宇宙船のクルーは、キャプテンの日本人カネダ(真田広之)を始め、物理学者で核爆弾の専門家のキャパ(キリアン・マーフィー)、エンジニアのメイス(クリス・エバンス)、パイロットのキャシー(ローズ・バーン)、生物学者コラソン(ミシェル・ヨー)、通信士のハーヴェイ(トロイ・ギャリティ)、航海士のトレイ(ベネディクト・ウォン)、そして精神科医のサール(クリフ・カーティス)の8名。彼らは地球を救うと言うミッションを託され、5,500万マイル離れた宇宙空間を航行していた。やがて、地球との最後の交信エリアに差し掛かる頃、完璧だったはずの計画に少しずつ亀裂が生じてくる。水星の軌道に入った時、7年前に消息を絶ったイカロス1号の遭難信号を受信したのだ。論議の結果、軌道修正をするのだが、この選択が彼らの運命 を大きく変えていくのだった・・・。  

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 20世紀FOXのタイトルVIから乗り移って始まる映画のオープニングシーン。太陽とシンクロする巨大なクラゲ型宇宙船『イカロス2号』がユックリとパーンしてその全貌を現す。おぉっ!いきなり宇宙船萌え!!太陽光を反射するシールドを前面に配したそのデザインは魅力的とは言いがたいが、何ともシズルビジュアルなのだ。その船名イカロスからしてプロジェクトに相反するが、人類の儚い未来を予感させる。そもそも地球を救うために太陽に核弾頭をぶち込むと言う設定が、イスカンダルにコスモクリーナーを受け取りに行くのとは全く次元が違うのである。
 太陽と核。神と人間。光と闇。希望と絶望。この映画は、2極の対立構造の果てに答えを求める弁証法的観念を感じたりもする。
 また、映画のベースは『クライシス2050』(別所哲也出てたっけ?)で、コンピュータとの会話に『2001年宇宙の旅』、オキシジョン・ガーデンに『サイレントランニング』、1号の生き残り?船長は『イベントホライゾン』を感じさせる。他にも『惑星ソラリス』や『スーパーノヴァ』等、過去の素晴らしいSF映画へのオマージュに満ちている。

 正直、いつものハリウッド風娯楽SF映画を期待するとガッカリすることになる。ボイル監督の嗜好と、太陽と対峙する哲学的な背景が合わないと辛いだろう。次第に太陽の神秘性に魅せられていくクルー達に感情移入出来ずにいると、ピンバッカーの出現で、???になってしまう。サールがカネダに問うた『カネダ!何が見える!?』の応えは聞こえてこないだろう。しかし、凝りに凝った太陽の描写や宇宙船のディティール。ラストのタイトルバックのダイジェスト映像と共にながれるロックに至るまで、正にブリティッシュSFの傑作。

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 この映画、何年後かには『惑星ソラリス』や『イベント・ホライゾン』の様なSFカルトムービーになっているかも知れない。ただ、カルトな内容であるとプロモーションでしっかりその辺を告知しないと、娯楽作を期待したお客さんには反発されるかも・・・。特に、1号内部に入った後、サブリミナル映像で予感させても、あのSUNフレディが出て来るとは思わんよね、普通。
 また、ポスターの日本版はキャプテン真田が先頭の真ん中に位置するが、海外版はキリアン・マーフィーが先頭で、真田船長は右端です。エンディングも各国違っているようですが、ご存知の方は、ぜひお知らせくださいませ。オーストラリアのオペラハウス以外の設定なのでしょうか・・・気になる。  人気blogランキングへ
 
 この原題『SUNSHINE』と言う映画は、マニアなSFファンに大画面スクリーンと優れた音響の劇場で観て頂きたい映画であります。

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『ブラッド・ダイアモンド』の輝き。 

   4つのCを持つ映画。
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 4月19日にオープンしたばかりの、大阪市最大のシネコン「なんばパークスシネマ」に行って来ました。同シネコンでの初の鑑賞は『ブラッド・ダイアモンド』。昨年秋にオープンのナンバ丸井にある「はんばTOHOシネマズ」の初鑑賞が『フラガール』で、これが最高だっただけに期待もしつつ劇場へ。8階のメインロビーでレイトショー・チケットを購入し、6階に降りると、ズラリと8つのシアターが左右に展開されている。おぉ、見事!なんだかこっちまでリッチな気分。このシネコンには、9階にも3つのシアターがある。また、カップルデート向けのプレミアムシアターや、旧作を1コイン500円で見せる1コイン上映が嬉しい(明日の記憶・砂の器を上映中)。

 さて、肝心の映画だが、このシネコンとも相当に相性が良い様で、ドンピシャの秀作に遭遇です。ディカプリオが『ディパーテッド』ではなくこの作品でオスカーにノミネートされたこと、エドワード・ズウイック監督作品と言うこと位は知っていたが、こんなに良いなんて嬉しい誤算です。人気blogランキングへ

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 物語の舞台は、最近映画界でも注目のアフリカ。大陸西部に位置するシエラレオネ共和国の海岸沿いの漁師町から始まる。美しいアフリカの夜明けと、一瞬にしてそれを打ち破る反政府武装集団のRUFの奇襲攻撃。何の罪も無い村人を次々に略殺し、投票出来ぬように腕を鉈で切り落とす。目を覆うばかりのバイオレンスの嵐。優秀な息子ディアや愛する家族と暮らす漁師のソロモンは、やっとのことで家族を救うが自らはRUFに拉致され、ダイヤの採掘現場で労働を強制される。
 一方、そのダイヤを密売する元傭兵のバイヤーがダニー・アーチャー(ディカプリオ)。彼は、この神もとっくに見捨てた土地アフリカを脱出することを夢見ている。TIA(=This is Aflica)とうそぶく彼は、母をレイプされ父を絞首刑で殺された過去を持つ男だ。そして、そんな二人と運命的に出会うアメリカ人女性ジャーナリストのマディ(ジェニファー・コネリー)。彼女は、不正規ルートのブラッド・ダイヤモンドの真実を伝えるための動かぬ証拠を求めていた。

 1つのダイヤに託された、異なる3人の3つの思い。3人の俳優が見事な演技のトライアングルで魅せる。主演のディカプリオは、この映画と前作『ディパーテッド』で、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞Wノミネートという史上初の快挙を達成。惜しくもオスカーは逃したが、新生ディカプリオの評価を完璧に揺るぎないものにしている。実際に元傭兵に取材し、アフリカーナ(アフリカ生まれの白人)の英語のイントネーションや複雑な感情、傭兵としてのスキルを学んだと言う。そして、語尾に「ハァー」と上げるイントネーションが印象的で、タバコを吸う仕草や目での演技が上手いと思わせる。大振りな演技ではなく、一寸した仕草や背中で伝えてくるのだ。
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 また、両サイドを固める漁師のソロモン役の『ジャイモン・フンスー』が良い。コチラは息子や家族と離散し、故郷を奪われた悲しみと怒りを全身で表現する。RUFに拉致され殺人マシンの少年兵に洗脳された息子との再会シーンは、観る者の胸を熱くする。『グラディエーター』で知った彼の存在は、この映画でもキーマンとしてシッカリと存在感を発揮していると感じた。
 そして、我々と同じ視点で圧倒的な現実と悲劇の前で、自らの非力さに葛藤する女性ジャーナリストのマディを演じたオスカー女優の『ジェニファー・コネリー』が、メイクも演技も素の魅力で魅せる。ワンス・アポン・ア・タイム・インアメリカでデビューした彼女も、早30代後半。ほんと、良い女優になりました。

 この映画には、アクションあり、ヒューマンやロードムービーの要素もあり、ラストまでの150分を一気に飽きることなくスクリーンに釘付けにする。ズウイック監督の特徴として、女性をあまり上手く描けないことや、クライマックスのハイライトシーンの後に長々と説明的なシークエンスが付くのだが、この『ブラッドダイアモンド』ではどれもが上手く機能している。映画プロモーションで、ダイヤには4つのC(カラット・カラー・クリアリティ・カットに加えてConflict=争い)があるといっているが、映画にも4つのCが必要だ。つまり、Creative/Catch/Charm/Critical。そして、この映画には、エンターテイメントや社会性などの総合的な要素Complexがある。GWに観たい映画を決めかねている人が居るなら、達也は迷わずこの『ブラッド・ダイヤモンド』をお薦めしたい。
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 言葉も無いほど美しいアフリカのロケーションと、「神も見捨てた土地」と劇中ディカプリオが語る悲惨なアフリカの現実。社会的なテーマを見事なエンターテイメントに昇華して魅せる『ズウイック』監督の手腕炸裂です。世界のマーケットをコントロールするダイヤ・シンジケートや、マインドコントロールされた少年兵の悲劇。善人の元教師ベンジャミン(ベイジル・ウォレス)やビーチBarのマスターメド(ンタレ・ムワイン)があっけなく殺されるリアリティが突き刺さる。
 ラストに近いハイライトシーンで、ディカプリオ演じるアーチャーが丘の上に静かに腰掛け、衛星電話でN.Yのマディに電話してソロモン親子を託した後、『今、凄くいいものを観ているんだよ・・・』と語る場面は、忘れられない名シーンになるだろう。何だか、『ブレードランナー』の(レプリカントをむ演じた「ルトガー・ハウアー」が笑みを浮かべて静かに眠りに着く)ラストに近い神々しさを感じたのは、達也だけだろうか・・・。しかしこの映画、その名に違わぬ100カラットの輝きを持つ中々の名作なのであります。

 いやぁ、ホント映画ってやっぁ・・・。

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『蟲師』は、世界と共生する。 

  
蟲師は観るではなく、感じる映画。
ただ、あるがままに・・・。


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公開初日の24日に、梅田のブルク7で観て来ました。

当日は、1回目と3回目にオダジョーの舞台挨拶があるとあって、全席ソールド・アウト。

達也の観た2回目は舞台挨拶が無いにも拘らず、ほぼ満席。仕方なく、映画人生初の、

最前列からの鑑賞となりました。しかも、左サイド。なんじゃこの角度は!!!

そんな場所と角度から見たせいか、ほかのレビュアーの方々とはちょっと違う評価と

レビューになっております。

なんせ、この角度から観ようとすると、画面の早い動きに視線が追いついて行かない。

しかも、注意力を削がれるので、音声にも非常に注意しつつの鑑賞を強いられる。

よって、目と耳を総動員して、必死でスクリーンに対峙したのでありました。

さて、肝心の映画ですが、世界を震撼させた劇場アニメ『AKIRA』の

大友克洋監督による実写版の映画だ。   人気blogランキングへ

漆原友紀原作の人気コミック「蟲師」をベースにしたこの作品は、エンタメ系と言うより、

アート系に近い仕上がりになっている。しかも、原作や評価の高いアニメ版のファンには

納得しがたい要素も多く、現時点ではあまりいい評価を聞かない。

しかし、原作や優れたアニメ版をそのままトレースするのであれば、

わざわざアニメ出身の大友監督が実写の映画版を作る必要も無い。

大友監督は世界のワールドワイドなオーディエンスに向けた深いメッセージを、

この実写版・映画『蟲師』に込めているように思えたのだ・・・。

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映画のオープニングシーンは、雲海が漂う山の斜面にカメラがゆっくりとズームして

ゆく事から始まる。蟲をイメージさせる不思議な音が流れ、荒いトーンのフィルムの

スクリーンに、大粒の雨が降っているのが分かる。カメラがさらに寄ると、

山の斜面を縫うように一本の道が伸びており、そこを進む母子の姿が映し出される。

降りしきる雨の中、次の村落へと急ぐ母子。木々の間からは、蟲がゆっくりと中を舞う。

すると、突然山が崩れ、土石流が母を飲み込み押し流す。

少年が土砂に埋もれた母を捜している姿を、銀髪の女ヌイの肩越しに映し出す。

雨に煙る深い日本の山谷。幽玄な響き。

それだけですっかり源日本のDNAが覚醒される。

達也としては、いい感じで大友版『蟲師』の世界に入って行けた。

そもそもこの映画版は、マンガにある4つの話、「やわらかい角」「筆の海」、

そして「雨がくる虹がたつ」と「眇の魚」を組み合わせてさらにアレンジして作られている。

そこに、大友監督が込めたメッセージも加え演出されているのだ。

そして、そのメッセージとは、『いまある世界との共生』では無いだろうか。

主人公のギンコ(オダギリジョー)は、『蟲師』と呼ばれる漂白の者だが、

彼は決して蟲を退治する訳ではない。あるべき場所へ戻すと言ったほうが良いだろう。 

だから、4つ選ばれた原作の物語の『やわらかい角』を冒頭に持ってきている。

この話しは、『阿』と『吽』と言う一対になった蟲の話しだが、音を食らって奪う蟲と、

角を人面に作って音を出す蟲が、自然界のバランスを象徴している。

そして、蟲師のギンコは、そのバランスを元に戻してやるだけなのだ。

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また、生まれながらにして禁種の蟲を宿す淡幽(蒼井優)は、蟲に寄生されながらも、

文字で蟲を封じ、蟲を愛でる。映画のハイライトでもある淡幽が菜箸で蟲(文字)を書に

封じるシーンでも、蟲を殺したりしない。ただ、書移す(写す)である。

トコヤミが覚醒して弱ったギンコは、旅の道中で人を蟲から癒し、自分もまた癒される。

それが、この対立と戦いの連鎖にまみれた現代世界へのメッセージに思えるのだが・・・。

ただ、ちょっと分かりにくいのが、ヨキ(=ギンコ)を探して旅を続ける

謎の蟲師のヌイ(江角マキコ)の存在だ。母を亡くしたヨキを救い、

自分の息子の面影をヨキに見たヌイは、ヨキを遠ざけようとするが、

ヌイを慕って着いて来るヨキを、図らずしもギンコに変えてしまう。

自らがトコヤミに犯され、トコヤミと成りつつ、トコヤミを半分持つ類稀な蟲師

『ギンコ』を覚醒させたのだが、このプロットからは分かりづらい。

特に、ヌイが連れている聾唖の男が分からない。ラスト近くで光脈筋に近い小屋で、

子供を殺していた様に思える。目が見えぬヌイと聾唖の男は補完し合う

関係と見て取れるが、子供殺しは意味が分からない・・・。

ただ、ヌイとギンコが再び出会うことでヌイは光に包まれ癒された。

そしてギンコは、蟲をヌイに集めてやる手はずを整え、一人旅立つ。

再び、人を癒し、自らが癒され、そしていつかトコヤミを完全に封じる

真のギンコとなる為に・・・。
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当然、映画は観る人によって賛否両論あるだろうし、つまらない映画も多い。

ただ、この『蟲師』は、多くの可能性と魅力に溢れた秀作なのだと達也は感じる。

もちろん、単なる蟲の知らせを拡大解釈しているのかも知れません。

この映画を直感的・右脳で捉えたら、そう感じるだけなのです。

つまらないと感じたら、蟲が好かないだけなのですよ、キット。

そして、またそれも正解。

しかしこの映画、見事なVFXと琵琶湖周辺の圧倒的に美しい源日本のロケーションを

観るだけでも、価値があります。

近頃日本の自然が破壊されたと言う話しをよくに耳にしますが、

どっこい捨てたもんじゃない。

破壊されたのは、日本人の心のほうかも知れませんよね。

いゃあ、映画ってヤツは・・・ホント。


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↓ 達也も読みました。映画の???を、補完してくれます。
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『ドリームガールズ』に酔う ! 

    夢見るチカラ。
  それがスターの才能でもある。

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1981年の12月20日に、ニューヨークのブロードウェイにあるインペリアル・シアターで

オープニングを迎え、大ヒットとなった「マイケル・ベネット」演出の「ドリームガールズ」。

そのブロードウェイ・ミュージカルを、「ビル・コンドン」監督が映画化したのがこの作品。

ショービズの世界に憧れ、夢見る3人の少女がほんの小さな切っ掛けをチャンスに変え、

スターへの階段を駆け上がり、やがて華やかなスポットを浴びて夢を手にする。

そして傷つき、失くした物の大切さに気付いて再び歩き出す。

正にゴールデン・サクセスストーリーだ。 

『ドリームガールズ』の前身である『ドリーム・メッツ』のメンバーは、

ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィー(ジェニファー・ハドソン)、

そしてローレル(アニカ・ノニ・ローズ)。三人は、モータウン誕生の地デトロイトで、

オーディションに励む日々。遅刻して何とか滑り込んだステージでチャンスを掴み、

ショービズの海原へと船出することになる。   人気blogランキングへ

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オーディションのオープニングから、3人のパフォーマンスは圧倒的だ。

スタンディング・オベーションと喝采に包まれ、オーディションは当確かと思われたが、

いち早く彼女たちの才能を見抜いた、中古車販売を手掛けるカーティス

(ジェイミー・フォックス)は、人気歌手のジェームス(エディー・マーフィー)の

コーラスとして契約の話しを持ちかける。

この黒人レディ3人のトリオはダイアナ・ロスとシュープリームスがモデルとされているが、

『ビョンセ』と来れば、デスチャのトラブルともリンクして面白い。

デビュー時から、キナ臭いカーティスだが、彼もステージとブラックミュージックに

夢を見た男の一人だった。

やがて白人リゾートのメッカであるマイアミのステージに立ったジェームスと3人は、

新しい岐路に立たされることになる。スターダムを駆け上がる『ザ・ドリームス』の3人。

その後姿を寂しく見つめる事になる過ってのスタージェームス。

マネージャーのカーティスは手段を選ばず、彼女達を売り出すことに全てを賭ける。

そして、『ザ・ドリームス』の3人にも転機が訪れる事になる。
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リードボーカルをエフィー(ジェニファー・ハドソン)から、白人に受けるルックスの

ディーナ(ビヨンセ)に変えるとカーティスが言い出したのだ。

作曲を手掛けるC.Cもそれに同意するが、それを聞かされた

エフィー(ジェニファー・ハドソン)の表情が切なく胸を熱くする。

カーティス達の作戦は見事に的中し、新生『ドリームガールズ』は、

さらにヒットチャートを駆け上がることになるのだが・・・。

それにしても『ジェニファー・ハドソン』のパフォーマンスは圧倒的だ。

自らの心象を歌い上げる様は、鳥肌もの。

しかし、この映画のキャスティングは、残酷なまでにかなりシビアだ。

落ち目のスターのジェームスに「エディー・マーフィー」、美人だがソウルの足りない

リードボーカルに「ビョンセ」。実力があるがルックスと協調性に欠ける

エフィーに「ジェニファー・ハドソン」を起用するなど、リアルな世界とシンクロさせて、

一層のリアリティをスクリーンに感じさせるのだ。

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マイノリティの黒人が、ソウルを売って夢とドルを手に入れる。

女達の夢と友情。男達の野心とマネー。愛と葛藤、光と影が織り成す

目くるめくスピードとハイ・テンションでで70年~80年代を描いて、魅せる。

達也は、コメディタッチでないエディー・マーフィよりも、『コラテラル』の軽妙な役から

今回のシリアスなカーティスを演じた『ジェイミー・フォックス』。

圧倒的歌唱力でオスカーを獲得した『ジェニファー・ハドソン』より、

自らトリックスターを演じて見せた『ビョンセ・ノウルズ』に注目した。

それにしても、流石ハリウッド。

正にブロード・ウェーを全速力で駆け抜ける

ゴールドのキャデラックの様な映画なのでありました。


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『それでもボクはやってない』を観た。 

ボクを本当に裁けるのは、僕だけなのだ。

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『それでもボクはやってない』を、観てきました。

劇場は、久々の『TOHOシネマズなんば』。しかし、3月に入って初レビューです。

実は、2月の中旬からナナ何と、ついに花粉症になってしまった様なのです。

しかも達也の場合、鼻とか目とかではなく、頭がボーなのです。

ボケがきたわけではありませんので、くれぐれも!!

しかし、アレルギー反応が出た訳ではないので、確定したわけではありませんよね。

一度、医者で正確に調べてもらはねば・・・。

さてさて、肝心の映画ですが、結構良かったのだ、コレが。

当初予定していなかったのですが、いろんな人のレビューを観たり、

『硫黄島』『スクラップへブン』『ハチクロ』・・・と、加瀬亮の出演作を観るうちに、

チョッと頼りなくも親しめる彼のキャラが面白く、結構演技も良い感じなので、

ふらりと『それボク』へ行って参りました。

監督は『周防正行』。  

何と、大ヒット作『Shsll we ダンス?』からこの映画が11年振りのメガホン。

徹平の弁護士には周防映画の常連『役所広司』、息子を信じる母を『もたいまさこ』。

そして、一緒に戦う親友を『山本耕史』が好演している。

待ちに待った周防監督だけあって、本格的な法廷劇と、日本の刑事裁判のあり方に

真っ向から挑んだ中々の意欲作だった。   人気blogランキングへ

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物語は、就活中のフリーター金子徹平(加瀬亮)が、面接に向かう列車から降りた途端に、

一人の女子中学生に腕をつかまれ、痴漢の犯人として現行犯逮捕されて

しまうことから始まる。それは、誰にでも起こりうる悲劇。

しかし、加瀬亮の視線を通じて見せられる警察の取調べ、否認、

そして拘留へのプロセスは、笑い事では済まされない。

そう言えばテレビで観たような・・・、しかし、我が身にそれが起きたとしたら、

加瀬亮演じる徹平同様、刑事の半分脅しの尋問に抗する術も無く、

やってませんと言うのが精一杯なのだろう。だが、それでは徹平同様冤罪のまま、

手錠をかけられて拘留され、仕事を持つ身の社会人であれば、泣く泣く

やってもいない罪を、認めて示談金を払ってしまうのかもしれない・・・。

そして、そこに冤罪と言う別の恐怖が生まれるのだ。

この映画には、派手な演出も、過剰な演技も何も無い。ただ、淡々と

ドキュメンタリーに物語が進行し、それがリアリティーとなって観客に真っ直ぐに届く。

だからこそ、『十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜(ムコ)を罰するなかれ』と言う台詞や、

ラストカットに被る『どうか私(たち)を、あなたたち自身が裁いて欲しいと思うやり方で

裁いてください』という言葉が活きてくる。

新証人の登場や再現ビデオでの発見で二転三転させる法廷劇も見モノだが、

小細工を弄さずに日本の刑事裁判を真っ向から描いた周防監督の心意気に、

拍手なのだ。

それにしても、これはケッコウ良いかも、そんな風に軽い気持ちで観にいった映画が、

予想以上に良かった事に嬉しかったり驚いたり。それもまた、映画の魅力。

だから、映画は止められないね。

そう言えば、元プロボクサーの冤罪を主張する元裁判官のニュースが、

最近テレビを賑わせております。

これもこの映画の追い風になると良いのですが。

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『リトル・ミス・サンシャイン』で、スタート。 

  走れ! 家族のオンボロLOVEワゴン。
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07年の劇場での第一作目は、「ラムの大通り」のエイさんからお薦めいただいた

ハートウォームなロードムービー『リトル・ミス・サンシャイン』。

結論から言うと、ホンと実に良かった !

今年のスタートとなる1作目なので、「元気の出る素敵な映画を」と思っていたが、

そんな意味でもドンぴしゃりの映画でした。

観た映画館は、大阪北梅田のスカイタワー3階にある「シネ・リーブル梅田」。

チョッと場所の利便性は良くないのですが、空いてて座席の前後がかなりゆったりめ

な所が気に入りました。

ビル屋上には空中庭園の展望台もあるので、カップルにもお薦め。

さて、肝心の映画ですが、第19回東京国際映画祭で最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、

観客賞など最多3部門を受賞。ゴールデングローブ賞の作品賞と主演女優賞にも

ノミネートされております。

まったくのダークホースだった制作費わずか800万ドルの

『リトル・ミス・サンシャイン』が、ここまで健闘している事自体、非常に痛快でもある。

またストーリーも愉快・痛快で、チョッとほろり胸を熱くするシーンもあり。

主人公は、アリゾナ州に住むフーヴァー家の個性豊かな面々だ。

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家長の父親リチャード・フーヴァー(グレッグ・キニア)は、自分で開発した

「9ステップス理論」を書籍化する契約を結ぼうと必死になっている勝ち組志向の権化。

妻のシェリル(トニ・コレット)はフーヴァー家の大黒柱的存在で、バラバラになりかけた

家族のまとめ役だが、夕食はテイクアウトのフライドチキンで、タバコも止められない。

長男のドゥーエン(ポール・ダノ)は空軍パイロットになる事を夢見る15歳。

目標達成の為にニーチェに倣って“沈黙の誓い”を立てている。

しかし、実は家族に対して怒っているだけの変わり者。

そして、この映画の主役であるオリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)は、

美少女コンテストに繰り上げ出場することになって大はしゃぎする、

無邪気でチョッとブスな9歳の女の子。

そんな孫娘が可愛くて仕方ない祖父の(アラン・アーキン)は、ヘロイン中毒で、

老人ホームを追い出されたスケベな頑固じいさんだ。

そんな一家に、またまた叔父のフランク(スティーヴ・カレル)が、転がり込んでくる。

ゲイの愛人をライバルの研究者に奪われ、自殺騒ぎを起こして

勤務していた大学をクビになったのだ。

こんな負け組みを画に描いたようなフーバー家の人達が、オリーヴの夢を叶える為に、

オンボロのVWバスに乗り込んでカリフォルニアへと向かうのだった・・・。

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家族は、カリフォルニアへと向かう途中、様々なアクシデントや不幸に遭遇し、

その度に家族の絆を深めて行く。こう書くと、ありがちな家族モノかと思われるが、

どっこい一人ひとりが曲者である。自分は勝ち組であると信じて疑わない父リチャード。

自分が色弱と知って絶望する長男ドゥーエン。ヘロイン中毒でエロエロ爺さんのグランパ。

G.Sで元カレ?とライバルのデートに遭遇して逃げ隠れするゲイの叔父フランクなど、

個性的な面々が行く先々でトラブルを巻き起こす。

そして、フーバー家を象徴するのが、ボロボロのVWバスなのだ

クラッチが入りにくく、坂道か押し駆けでないと発進しない。クラクションは鳴りっ放しで、

ドアまで外れる始末。そんなポンコツと一緒に走る家族が、次第に一つにまとまって、

車を走らせ乗りこなす術を自然と学んでゆくのだ。

そんな彼らが愛おしく、観ている誰もが彼ら一人一人を好きになる。

やがて、やっとの思い出たどり着いた美少女コンテストの会場では、

とんでもなく痛くて笑えるラストが待っている。

この映画、決してお涙頂戴映画ではありません。

馬鹿で変人でおっちょこちょい。しかも負け犬の遠吠えばかりの連中が、

家族を認め合い愛し合い、そっとハグするだけの映画です。

だから嘘もケレンもありません。シュールでブラックな言葉一つ一つに

愛があり、優しさを感じるのです。

新春1作目からこんな素敵な映画と出会えるなんて。

ホンと、だから映画は止められないよね。   人気blogランキングへ

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Complex 1: オリーヴを演じたアビゲイル・ブレスリンは、実際は細身のかわいい子。本作ではファットスーツを身につけ、丸眼鏡をかけた冴えない女の子という役を見事に演じている。

Complex 2 : マイケルダナの音楽とディボーチカの多国籍な楽曲も良い。個性がぶつかり合うこの家族にピッタリとマッチしている。

Complex 3 : キーマンは、チョイ悪爺さんのアラン・アーキン。このグランパの孫娘を勇気付けて『enjoy』と励ます言葉、『本当の負け組みは、負けることを恐れて挑戦しない奴だ』と言う台詞が、夫婦監督「ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス」夫妻のメッセージなのだ。

Complex 4 : 『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレルが、ゲイの叔父役で好演している。彼がコンテスト会場で受付へ向かってダッシュする姿に、ウルルンときたぞ。

Complex 5 : これが最も大事だが、この映画は観客をある意味で裏切り続ける。「こうなるんじゃないの」とか「きっと生き返るよ」「最後はパッピーエンドでしょ」とかね。同じ東京国際映画祭で3冠をとった「雪に願うこと」もそうだったが、すっぱりとエンディングがやってくる。この潔さ、キッパリズムこそがリアリティであり、大切なComplexと感じた。


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A Happy New Cinema ! 


生きて観て、そして感じる1年に !

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2007年がスタートしました。

昨年はホントに多くの方にブログを見ていただき、心から感謝いたします。

皆さんのホットなコメントや多彩なトラバに何度も励まされました。

そして、素敵な映画たちとの出会いに何度もワクワクしたり、涙を流したり。

だから映画はやめられない。

07年もいっぱい観て感じて、そしてレビューして、

皆さんと色んな角度から意見の交換が出来ればシアワセです。

そして、今年の1月に観ようとは決めているのは、『どろろ』と『墨攻』。

『どろろ』は、出来ればUSJの舞台挨拶付きの試写会に行きたいのですが・・・

何とか試写会をゲットします。

主演の『妻夫木聡(百鬼丸)』と『柴崎コウ(どろろ)』の演技にかなり期待しています。

命をテーマに、巨匠手塚治の原作をどうアレンジしているかも観モノ。

ニュージーランドでの撮影も気になりますし、音楽、衣装も、楽しめそうです。

新しいエンターティメントの誕生を目撃できるかも・・・。

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三度めの『硫黄島からの手紙』。 

    硫黄島に、ハナミズキ。
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二度あることは三度ある。栗林中将が、西郷に言ったように、達也も三度目の

『硫黄島からの手紙』を観てきました。

少年の頃から映画を観ていますが、短期間に三度も同じ映画を観たのは

初めてかもしれない。

しかし、この映画はそれくらいの価値のある映画だと、観るたびに思えてくる。

前二回は試写会だったので劇場の音響等に制約があったが、

今回は梅田E-maのブルク7。 ブログランキング

観る前から、三度目は出来るだけアメリカ人の視点で見てみようと心に決めました。

そうする事によって見えてきたのは、アメリカの兵士達が硫黄島で戦った相手が、

東洋の野蛮人や表情の曖昧なイエローモンキーなどではなく、自分達アメリカ人と

まったく同じ、血の通った家族思いの人間達であると言うことだ。

我々日本人の立ち位置でこの映画を観ると、『栗林中将は素晴らしい指導者だ』とか、

『バロン西は何てカッコ良い』などの感情が先走りがちである。

しかし、この『硫黄島からの手紙』こそ、クリントがアメリカ人の為にしたためた

手紙なのである。栗林やバロン西を正確に描き切る事で、誰と戦い何が失われたのかを

アメリカ人に知らせるための彼の話法なのだ。  人気blogランキングへ

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一方の視点から戦争と言う狂気を描くと、どうしてもどちらかに偏ってしまう。

それを同時に二つの視点で双方から描くことにより、この硫黄島2部作は、

従来の映画が持ち得なかった同じ視点を獲得したのである。例えば、今回の

このプロジェクトに参加しているスピルバーグの『プライベート・ライアン』や、

ミュンヘン』を観ると良く分かる。

戦争は悲惨だ。復讐の連鎖を止めなければ・・・。

それはもっともだ。だが、どの様に?

悲惨さを訴え問題を提示することも大切だが、それだけでは何も解決しない。

ある禅僧が武士にこう問うた。

『両の手のなる音は知る。では、片方の手の鳴る音は・・・』

その答えを問われた武士は黙ったままだったが、

禅僧は片方の手で、自分の頬をきつく叩いたという。

同じ気持ちで人を許す愛と勇気、自己犠牲なくして、悲しみの温床である復讐の連鎖を

絶つことは出来ない。9.11以降、クリントの話法も確かに変わった。

だが彼は、諦めることなく強かに、そしてしなやかに、映画という手段で、アメリカ人と

日本人という相対する個人にメッセージを送ったのだ。、同じ悲劇を共有する者達に。

この2つの映画は限りなく脱色されたモノトーンだが、

流される双方の兵士たちの血の色だけが、同じように赤い

映画のラストで、栗林中将は愛用のコルト45口径の拳銃で自決するが、

その1911年製の銃は、駐米武官として渡米していたアメリカを去る時に

友人から贈られたものだ。

同じ1911年、日本から贈られた桜のお返しにと、アメリカから贈られた花が、

ハナミズキだと、偶然知った。

そして『一青 窈』が、9.11のテロにインスパイアされて作った曲、

『ハナミズキ』を聴きながらこのレビューを書いていると、

涙が止まらなくなった・・・。

 僕の我慢がいつか実を結び
 果てない波がちゃんと
 止まりますように
 君と好きな人が
 百年続きますように

 君と好きな人が
 百年続きますように ~ ♪


死んでいった者達が、 残された家族や愛する者達を思う歌詞にもとれる・・・。

硫黄島の2部作は、クリントとそのスタッフが日本とアメリカに贈ってくれた、

『ハナミズキ』のような映画なのだと思う。

今も1万3千柱以上もの英霊が眠る硫黄島と僕達の心に、

目には見えないハナミズキを植えてくれたのかも知れないなぁ・・・。

Complex: 花言葉は、『私の思いを受け取ってください』という。


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