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斬新!『300スリーハンドレット』。 

  正に劇画ムービーだ。

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 今日からロードショーが始まる『300スリーハンドレッド』を試写会で観た。
 かなりグラフィカルで斬新な映像だとは予備知識で知っていたが、想像を上回る斬新な映像に正直驚いた。しかし、歴史大作映画が好きな人にはあまりお薦めできない。歴史大作と言えば、チャールトン・へストンの『ベンハー』に始まり、ラッセル・クロウの『グラディエーター』と、達也も好きな映画が沢山ある。
 だが、この『300』は、何れの映画にも似ていない。歴史公証ははなから無視した、正に動く劇画なのだ。だからこそ、そんじょそこらのアニメでは及びもつかない迫力の画角・アングル、ハイスピードとストップモーション、コマ落としを駆使した斬新な映像革命を堪能できる。

 監督は『ドーン・オブ・ザ・デッド』の「ザック・スナイダー」。 『シン・シティ』でも知られる「フランク・ミラー」のグラフィック・ノベルを基に、「カート・ジョンスタッド」と脚本を共同制作している。スパルタ王レオニダスを演じる主演は、「オペラ座の怪人」の『ジェラルド・バトラー』。その妃コルゴを『レナ・へディー』。対するペルシア王クセルクセスを『ロドリゴ・サントロ』が演じている。

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 物語は紀元前480年のギリシア。ヘロドトスの『歴史』にも記されているテルモビュライの戦いを描いている。クセルクセス王に率いられた100万を越すペルシア軍がギリシアの都市国家群に迫り、スパルタのレオニダス王の元へも、降伏を要請する使者が訪れる。しかし、降伏は国家の滅亡だけでなく、民族と戦士の魂を滅ぼすと判断したレオニダス王は、ペルシアの使者を谷底へと蹴り落とす。そして、テルモピュライという狭い山道で、クセルクセス王に率いられた100万を越すペルシア軍と、レオニダス王に率いられたスパルタ兵300とギリシア連合軍の戦いの火蓋が切られた。
 
 一応、スパルタの徹底したファイティング・スピリットを主軸に、王と妃の夫婦愛、父と子の深い愛情や愛国心を織り込みながら描かれているのだが、それはこの映画の中では、ほとんどメッセージとしての意味を持たないかのように思える。それほど映像が斬新で、なおかつ残酷な戦闘シーンの連続なのだ。ただ、それは限りなく劇画チックで、リアリティを伴なった恐怖や切迫感が伝わってこない。やはり、ジャンクなコミックスを読んでいる以上の深い思いに至らないのだ。 人気blogランキングへ

 劇画なら、同様のジャンルに三浦健太郎の『ベルセルク』があるが、この作品は、『300』と比べ物に成らないほどの深いメッセージ性と胸に迫るリアルな恐怖を想起させた。現在の『ベルセルク』は、蝕が終わるまでの初期ベルセルクとは比較にならぬほど冗長で緩慢な劇画になってしまったが、人間の業を深くえぐる情感のある良い劇画だった。かってアニメ化されたことはあったのだが、『300』を観た時、この映像テクニックなら実写でヤレルと感じた。ぜひ『ザック・スナイダー』監督にチャレンジして欲しいものだ。

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 また、この『300』は、あからさまにペルシャ軍の脆弱さを描き、自由と民主主義を掲げるギリシア+スパルタ連合軍をヒロイックに描いていることから、イラン政府から正式にクレームが付いた様だ。しかし、この映画には政治的なイデオロギーが介在しているとはあまり思えない。それよりむしろ、肉体的不完全な者を排除するデフォルメされたスパルタ主義の描き方により問題があるように思える。

 そして、今も紀元前の昔も、国と家族を思う熱い魂があると同時に、他国と通じ裏切る者や、危機に乗じて私欲を肥やす者がいることは変わらない。ただ、スパルタと言う言葉は今に残り、テルモピュライの戦いが語り継がれていることは、紛れも無い事実なのだ。

 革新的映像の斬新な映画として楽しむには、『300』は実に面白い。ぜひ劇場のシネスコープのワイドスクリーンで堪能して頂きたいものだ。

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『アポカリプト』は破格の映画だ。 

   次代の鼓動を体感せよ。

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 キリスト最後の24時間を描いた『パッション』以来、何かとお騒がせ男のイメージが強かったメル・ギブソンが、再び輝きを取り戻した。6月16日からロードショーの『アポカリプト』がいい。
 早速試写会で鑑賞したが、全編手に汗握るアクションシーンの連続。そして、『猿の惑星』以来の衝撃のラストシーンに、ヤラレタ。

 物語は、マヤ文明後期の中央アメリカのジャングルが舞台。誇り高き狩猟民族の血を受け継ぐジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、酋長の父、そして妻や子供とともに平和な暮らしを送っていた。ところが、ある日、マヤ帝国の兵隊達による襲撃を受け、仲間とともにピラミッドに連れ去られてしまう。そこで彼らを待ち受けていたのは、干ばつを鎮めるための生贄を捧げる儀式だった。

 一方、村に取り残された妻と娘は、深い竪穴から脱出できずに苦しんでいた。一人また一人と、祭壇で心臓を抉り取られ、首をはねられて行く。そして、ついにジャガー・パウが祭壇に押さえつけられることになるが・・・。

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ほとんど全ての俳優が素人でありながら、
今まで観たこともないほど自然な芝居をするが、
ある意味当たり前かもしれない。
しかし、表情の一つ一つが、本当に素晴らしい。

そして、スタントやCGを廃した徹底した肉体の衝突。
切り裂かれる肉、折れる骨、噴出す血しぶき。
300のそれを遥かに上回る生々しい残酷シーンの連続。

しかし、全てのシークエンスを伏線として、
ラストに訪れる衝撃のクライマックスに唖然とする。
逃げるジャガーパウと追うマヤ人達が目にしたものとは・・・。
うーん、なるほどそう来たか。これにはビックリした。
スクリーンを見つめる全ての瞳が釘付けだった。
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恐怖心が心を支配する時、恐怖が争いを生み、争いが新たな恐怖を生む。
しかし、新しい時代(=アポカリプト)は、音も無くすぐそこまで来ている。

逃げるものと追うものがやがて逆転し、恐怖が勇気に変わるとき、
新しい時代が訪れる。

アポカリプトとは、ギリシア語で、新しい時代の意味だが、
そのタイトルに込められたメッセージを、
理性ではなく本能で体感させる凄い映画だ。

ある意味これは、21世紀の今と言う時代を映す鏡でもある。

メル・ギブソン監督の映画に賭ける「ブレイブ・ハート」と「パッション」に、拍手。



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『ザ・シューター/極大射程』はAB級。 

  『この映画が凄い!』設立を希望。

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 合衆国VS孤高のスナイパーと言う、ちょっと大げさなキャッチフレーズの映画『ザ・シューター/極大射程』を試写会で観てきました。何せこの映画の原作は、2000年の「このミステリーがすごい!」海外部門1位を獲得した『スティーブン・ハンター』の小説が原作。監督は「トレーニング・ディ」で知られる名匠『アントワーン・フークワ』。骨太で男臭いアクションを撮るのが上手い監督なのだ。

 この映画でタフなスナイパーを演じた『マーク・ウォールバーグ』は、ディカプリオの推薦で射止めた「バスケットボール・ダイアリーズ」の成功で、俳優としての地位を獲得。06年には再びレオナルド・ディカプリオとの共演を果たしたマーティン・スコセッシ監督作の『ディパーテッド』で、初のアカデミー助演男優賞にノミネートされたことは、記憶に新しい。印象的なスラング連発の上司を演じていたが、今回は一転して寡黙なスナイパーの役。

 物語は、ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)はアフリカの戦闘で相棒の観測手ドニーを軍の裏切りでを失い、今は一線を退き、広大な自然が広がる山奥で愛犬と隠遁生活を送っている。ある日そんな彼の元を退役したアイザック・ジョンソン大佐(ダニー・グローバー)が訪問し、大統領暗殺計画が発覚したため、スワガーの力を借りたいと言う。しかし、それは巧妙に仕組まれた罠だった・・・。  人気blogランキングへ

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 この映画の原作者『スティーブン・ハンター』は、ワシントン・ポストの映画批評家でもある。従って、映画としての見せ場を十分に心得ていて、抜け目無く楽しませてくれる。そして、「このミステリーがすごい!」海外部門1位に恥じぬ仕掛けも用意されており、適度な緊張感を持続しつつ鑑賞できる。が、しかし。何かが足りないのだ。同じプロフェッショナルな軍人のスピンアウトを描いた『ボーン・アイデンティティ』があり、9.11以降のアメリカ社会の矛盾を見事に描く秀作が多々ある中で、この映画ならではの1つ抜き出た何かが足りない。
 それは、主役のマーク・ウォールバーグの華の無さなのか、監督アンとワーン・フークワの演出によるものなのかは、ビミョーである。時代遅れの時代劇に登場する様な悪代官並みの上院議員や、戦うモチベーションの設定にリアリティよりも、胸を熱くする何かが欲しい気がする。
 また、スワガーの相棒となるFBIのニックを演じるのは、P・ハギス監督の『クラッシュ』で娘を撃たれる錠前職人を演じた『マイケル・ペーニャ』なのだ。しかし、この映画ではあまりパッとしておりません。その辺が、残念!

 凄腕のスナイパーと言えばトム・ベレンジャー主演『山猫は眠らない』、シ゜ュード・ロウの『スターリングラード』を思い出しますが、この『ザ・シュター』は、孤高のスナイパーでありながら、凄腕の元海兵隊工作員といった感じ。近接戦闘や爆発物処理もお手の物。アメリカでは、インテリのランボーとして人気があるようです。狙撃の際に「風量」「風向」「地球の自転」まで考慮にいれるという徹底振りは、ミリタリーファンには堪らないところでもあります。

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 なにやら、シリーズ化されそうな予感もある本作。B級をA感じで楽しみたい気分に余裕のある時に観ていただけると、面白いかも。

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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』レビュー②。 

   映画と言うより、テーマパークなのだ。
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 ヨーホー♪ 見事に色んな意味で期待を裏切ってくれました。
 1.2と続いたスターウォーズのプロットをかなぐり捨てて、独自のハチャメチャ路線を驀進!映画の定石からすれば、こんなのアリ?の連続です。それでも、観客を楽しませるプロフェッショナルなギミック盛り沢山の、まるで巨大テーマパーク。そう、ディスニー・ランドそのものですよ。
 ハンス・ジマーの音楽はより重く深く。テッド・エリオット&テリー・ロッシオの脚本は完全に破綻している。二転三転、裏切りの連続。大事なキャラと思いきやあっさり流され、意味を成さないシークエンスもある。本来なら、金返せと言いたくなるが、そうはならないのがこの映画の魅力。圧倒的映像のクオリティと、呆れるほどのサービス精神で楽しませてくれます。全編これ、ファンタジーの世界なのです。だってディズニーランドに行って、ミッキーの中に人が入ってるといって、怒る人いないもんね。
 これを映画と言うか、テーマパークと言うか、それは人それぞれとして、楽しめることは請け合い。それなら、思いっきり楽しまなきゃ、損なのです。  人気blogランキングへ

 では、この映画を楽しむためのガイドライン。

 先ずその①は、POCの1と2の復習から。
 1の『呪われた海賊達』のラストで金貨を盗んで蘇ったお猿のジャックは、今回も大活躍。2のラストで鍵ならぬ骨をくわえていた犬は、今回海賊達の掟の番人ティーグ(キース・リチャーズ)の相棒として、キーとなる鍵を加えての登場となる。しかも、海がめに乗ってシンガポールに来た事になっている。あれ? これって、キャプテン・ジャック・スパロウの無人島脱出劇と同じ。

 その②は、ペアとトリオに注目! 
 POCのキャラクターは、ペアかトリオになっている。ウィルとエリザベス。犬と猿。ピンテルとラゲッティ。ジャックとバルボッサ。ノリントンとスワン提督。それのペアに、ジャックやオウムやデイビィ・ジョーンズやベケットが加わってトライアングルとなり、様々な事件を引き起こす。今回は更に、サオ・フェンやティア、ティーグやカリプソが加わってハチャメチャに!

 その③は、父と息子。愛と再生。
 もともと靴ひものビルとウィルは親子。海賊の血を引いているのだ。ジャックとティーグも、やっぱり親子。二代に渡る親子パイレーツなのだ。ウィルは父のビルを救うためには、エリザベスと決別しなければならない選択を迫られる。そして、永遠に生きる道を選ぶのか・・・? ジャックはまた一人海へと旅立つが、彼のコンパスが指す先は『不死の泉』。まだまだ続くのか・・・?

 その④は、裏切りと死。
 今回は、今まで以上に複雑怪奇な相関関係となり、裏切ったり裏切られたりの、ドンデン返しの連続技。もともといい加減で調子のいいジャックも、周囲の変わり身に翻弄されっぱなしか? しかし最後には、マイペースで次の海へと向かう。しかし、ある意味1本筋の通ったノリントンの最後は、涙を誘うのだ。今回は幾つもの裏切りと、幾つかの死が待っていた・・・。

 その⑤は、その後。
 長ーい、長~いエンドロールの果て、物語の愛と再生を感じさせるテーマの結末が待っている。5分近いエンドロールの果てに、ディスニーやドルビーのロゴが出るまで、じっと我慢なのだ。

 しかし、ホントにテーマパーク状態です。最後の最後まで、皆で仲良く楽しみましょう。
 ヨーホー♪ 

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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』 

  パイレーツは、永遠に不滅です。
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☆ネタバレなしです、ご安心を。 

 24日、ブルク7の前夜祭にて、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』を観てきました。なんと3時間の長・大作。これから観る方は、1.2の復習と、事前のトイレをお忘れなく。ネタバレせずにレビューを書くのは至難の業。あれもこれも、あー書きたい!!

 で、今回は2回に分けて、先ずこの映画を十全に楽しむためのパーレイ(=取り決め)について紹介し、この週末『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』を楽しむための参考にしていただく。そして、その後映画のレビューをお届けしたいと思うので在ります。

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テーマは、父と息子。愛と再生。

 映画というより、むしろ巨大なテーマパークの様相を呈してきた感のある『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』。このテーマパークを1回で遊びつくすのはチョッと難しいかも。で、そのガイドとして幾つかのComplexを紹介したい。

◎Complex1: テーマはズバリ、『父と息子』『愛と再生』。

◎Complex2: ヨーホー♪ ヨーホー♪ 今回も海賊の唄で始まり、唄で終わります。

◎Complex3: 突っ込み所満載ですが、基本ファンタジーです。そこんとこヨロシク!

◎Complex4: とにかくVFXが凄い。予算湯水・金山ですか、ディズニーさん。

◎Complex5: 逝く人、来る人。えっ、あの人が・・・。

◎Complex6: やっぱりキースは、○○だった! DNAですなぁ~。

◎Complex7: ジャックが一杯。一体何人いるのやら・・・。

◎Complex8: 3時間の長・大作。事前のトイレは忘れずに。

◎Complex10:犬と猿。そしてオウムが大活躍。なんだか桃太郎だよ。

◎Complex11:こんなウェディングもあったんだ。神父はあの人。

◎Complex12:長~いエンドロールの後に、今回も注目!! 必見です。


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『俺は、君のためにこそ死ににいく』、長っ! 

  『死ににいく』一枚ください。
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 大阪梅田のブルク7では、次回上映予定の映画の予告を、待合ロビーのモニターで常時流している。この映画を知ったのは、そのモニターを観てなのだが、『へぇーかなりレベルの高い特撮だなー』などと、戦艦ミズリーに突入する特攻機のカットを見ながら思ったくらいで、観る予定は無かったのだが、『パッチギ2』で揶揄されていることも気になり観てきました。

 映画は、若き特攻隊員から“特攻の母”と慕われた鳥濱トメさんの自伝『ホタル帰る』を元に、都知事の石原慎太郎氏がオリジナル脚本を書き総指揮を務めたもの。監督は『オキナワの少年』の新城 卓。撮影は、上田正治、特撮VFXは佛田 洋特撮監督が担当している。
 物語は、太平洋戦争の末期、陸軍航空隊のあった鹿児島知覧基地が舞台となる。特攻隊として死にに行く少年兵たちに母と慕われた鳥濱トメ(岸恵子)は、軍指定の定食屋を経営していた。毎日の様に笑顔で散ってゆく若者達。そんな中に、何度も特攻から引き返してくる田端少尉(筒井道隆)の姿があった。そして知覧で飛行教育を受けた坂東少尉(窪塚洋介)や朝鮮人の金山少尉(前川康之)中西少尉(徳重聡)も、死にに行くために知覧へと集まってくるのだった・・・。

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 日本は負ける。犬死を否定する田畑。仲間の後を追って靖国に行くことを願う坂東。祖国の名誉と民族の為に死ぬ金山。お国と愛する人の為にゆくことに躊躇いの無い中西。そして、死ぬことの意味さえ実感できない少年兵の河合(中村友也)。そんな若者達をロングと長回しを多用したカメラワークで捉えてゆく。多様な人物設定と抑制の効いた演出は、観客が感情的に特定の人物に感情移入、同一化を避けるためには効果的だが、その分感動が分断されることになる。それはそれで、ステレオタイプのお涙頂戴の特攻映画になる事を回避している点を考慮すれば、悪いことではない。また、石原氏の冒頭のメッセージを見た時にチョッと感じた嫌な右よりの戦争賛美的トーンも無く、冷静かつ真摯に描けていると感じた。  人気blogランキングへ

 しかし、しかしだ。この映画を中傷・揶揄する『パッチギ2』もそうなのだが、リアルな特撮映像と、表層的にリベラルな視点だけでは、戦争の持つ計り知れない多層・複雑な惨禍の本質を抉り出し、現代人の中で完全に眠ってしまった何かを揺り起こし、その先にある僅かな希望へと志向させるチカラを持ち得ないのだと思う。クリント・イーストウッドが描いて見せた『硫黄島2部作』の後では、そんな安易で感傷的なアプローチは機能しないことが明らかなのだから。日本は戦前も戦後も、弩級戦艦大和や隼や十二試艦戦で戦う以前に、文化的に無条件降伏しているのだ。あれだけ多くの犠牲を払いながら、戦う以前に勝敗は決していたし、残念なことに戦後もそれは変わらない。右だ左だと言う前に、マズその事を真摯に考えるべきだと思うのだが・・・。

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 ただ、この映画は、映画としてさほど悪いとは思えない。
 達也が気になったのはそのイケテない長いタイトルだ。思わずブルク7の窓口で、『死ににいく1枚ください』と、言ってしまった。すると窓口の女の子も『死ににいくですね』と言っていた(笑)。石原氏は、過去に『太陽の季節』や『狂った果実』という見事なタイトルをメイクしているだけに残念。原作の『ホタル帰る』でも良かったろうに。まして、『俺は君の為に・・・・』は、メッセージの本質を曖昧にしていると思うのでありました。


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かなりイタイぞ!『パッチギ2』。 

 井筒監督。今度はあんたにパッチギや!
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 2年前、日本アカデミー以外の国内の映画賞を総なめにした井筒監督の『パッチギ』が再びスクリーンに帰ってくる。沢尻エリカをスターダムに押し上げ、多くの観客の瞳を濡らし胸を熱くしたあの感動が再び・・・。前作のファンを始め多くの人達が、少しの不安と大きな期待を胸に、この映画の公開を待ち望んでいたのではないだろうか。もちろん、達也もその一人なのだが、既に沢尻エリカが脚本にクレームを付けて降板したあたりから、何だか妖しげな気配がしていた。しかし、それにも勝る期待を胸に、試写会場へと向かったのだが・・・。

 結論から言うと、『絶句!』 『???』。何をどうすればこんなことになるのだろう・・・。こんなに期待を裏切られるとは、正直思っても見なかった。達也は映画には10人10色の観方があり、解釈もそれぞれ違ってて良いと思っている。そして、映画そのものを愛しているので、自分なりに何か良いところを探して皆に伝えたいと思っている。そんな浜村純的なレビューを常々心がけているつもりだが、今回はイカン。前作への強い想いがあるだけに、あえて苦言を呈す。愛を込めて『パッチギ』をカマさせていただきたい。

 映画の舞台は、1968年の京都から1974年の東京の下町に舞台を移している。アンソン(井坂俊哉)はある事が切っ掛けで北から帰国し、母とキョンジャ(中村ゆり)、そして息子チャンス(今井悠貴)と暮らしている。ある国鉄駅の乱闘事件が切っ掛けで、運転士の佐藤(藤井隆)と知り合い、キョンジャの勤める焼肉屋や、サンダル工場を営む自宅に招待する。そして、佐藤はキョンジャに恋心を抱くことになる。
 そんな折、息子のチャンスの病が悪化する。チャンスは筋ジストロフィーで、その難病を治療するために一家で東京へと出てきたのだった。 途方にくれるアンソン。キョンジャは、偶然スカウトされた芸能プロに飛び込んで、チャンスの治療費を稼ごうとする。嘘と建前の芸能界に馴染めない。そんな折、劇団出身の野村(西島秀俊)と知り合い、その飾らない性格と優しさに次第に惹かれてゆくのだった・・・。

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 この『パッチギ2』は、国鉄のホームでの乱闘事件から幕を開けるのだが、この暴力シーンが全く意味を成さないばかりか、観客に不快感のみを残す。前作では、京都の町に暮らす在日・日本双方の鬱屈した青春のエネルギーの爆発にも感じられた暴力シーンが、今回の2には只の呆れるほど無意味なバイオレンスとしか感じられないのだ。前作の乱闘シーンには、青春期の若者達の怒り・焦り・悲しみを体現し、修学旅行のバスを転倒させるほどの爆発をスピード感とある種の爽やかさで描いて見せた。しかも、ハイライトの鴨川をイムジン川に見立てたシークエンスで、死と生命の誕生、そして愛と絶望を交えながら見事なアンサンブルに仕立て上げていた。しかし、残念なことに今回それは全く感じられなかったのだ。  人気blogランキングへ

 また、今回「LOVE&PEACE」と副題が付いているが、井筒監督は劇中にカットバックでアンソン達の父ジンソンの戦中の話をかなりのボリュームで描いている。そして、愛だけが河の向こうにある平和への希望なのだとしている。しかし、先に述べた無意味なバイオレンスのシーンは映画の後半に再出し、折角キョンジャの独白シーンを白けさせる。戦争は絶対にNo!としておきながら、何故の乱闘シーン。死ななければよいと言う物ではないだろうに。その先に戦争をイメージさせる安易な手段にしか見えない乱闘シーンは意味不明で、気分さえ悪くなる。
 
 そして、前回にもあった在日の視点からの日本人へのキツイパッチギの様な批判が、今回はさらにエスカレートしているのだが、これも単に日本人の感情を一方的に悪くするだけの様に思える。在日の人にとっても、ちょっとと感じるのではないだろうか。前作では、仲間の死をともらうお葬式のシーンであったことと、笹岡高史の演技力とが相まって、自然なメッセージとして聞けたのだが、今回は単なる批判としか受け取れない。そして、何度か出てくる芸能界の隠れた在日芸能人の暴露も、本人の許諾を得ているのだろうが、ここで実名を出したりヒントを与えたりに何の意味があるのだろう、と思ってしまう。

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 映画に登場する日本人も、キョンジャのマネージャーと藤井隆演じる佐藤以外はひどい扱いだ。西島秀俊の様な良い俳優が、何でこの脚本で納得したのか。しかも脚本が『フラガール』と前作『パッチギ』の羽原大介なのに、この本は酷い。前回はキャスティングも絶妙で、坂崎幸之助役の『オダジョー』が、河の向こうとコチラのいいブリッジとして機能していたし、ハウンドドッグの大友や曲の使い方も見事だった。しかし、今回は全てが欠落しているのだ。エグゼクティブ・プロデューサーもシネカノンの李鳳宇なのに、何故???
 そして何より、前回の『パッチギ』にあって今回の『パッチギ2』にかけているものは、物語り全体をより高い次元で見つめる優しい視点、愛と言うものが無いと言うことに尽きる。残念ながらこの映画に「ラブもピース」も見ることが出来なかった。ただ、演技はまだまだだが、若手の起用にほんの僅かな光明を見た気もするが『悲しく、悲しくて、とてもやり切れない』気分である。

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ブリテッシュなSF『サンシャイン2057』。 

    うわっ、太陽がいっぱい。
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 SF映画を久しぶりに劇場で観た。「ザ・ビーチ」や「28日後…」で知られる『ダニー・ボイル』監督が、脚本の『アレックス・ガーランド』と3度目のタッグを組んだ『サンシャイン2057』。
 映画を見始めた子供の頃からSFジャンルは好きなのだが、映画でしか観れない圧倒的映像がそこにある、と言うのがその理由の一つでもある。CGによるVFXが進歩し、イメージした映像がリアルに再現可能となった今、このジャンルが更に活性化する事を願って止まない。

 さて、映画のストーリーだが、太陽の活動が衰えた2057年、地球は氷河期の様に冷え切って滅亡の危機に瀕していた。絶望的な状況の地球に残された最後の希望は、宇宙船「イカロス2号」に搭載した巨大な核爆弾ペイロードで太陽を活性化させると言うプロジェクトだった。
 宇宙船のクルーは、キャプテンの日本人カネダ(真田広之)を始め、物理学者で核爆弾の専門家のキャパ(キリアン・マーフィー)、エンジニアのメイス(クリス・エバンス)、パイロットのキャシー(ローズ・バーン)、生物学者コラソン(ミシェル・ヨー)、通信士のハーヴェイ(トロイ・ギャリティ)、航海士のトレイ(ベネディクト・ウォン)、そして精神科医のサール(クリフ・カーティス)の8名。彼らは地球を救うと言うミッションを託され、5,500万マイル離れた宇宙空間を航行していた。やがて、地球との最後の交信エリアに差し掛かる頃、完璧だったはずの計画に少しずつ亀裂が生じてくる。水星の軌道に入った時、7年前に消息を絶ったイカロス1号の遭難信号を受信したのだ。論議の結果、軌道修正をするのだが、この選択が彼らの運命 を大きく変えていくのだった・・・。  

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 20世紀FOXのタイトルVIから乗り移って始まる映画のオープニングシーン。太陽とシンクロする巨大なクラゲ型宇宙船『イカロス2号』がユックリとパーンしてその全貌を現す。おぉっ!いきなり宇宙船萌え!!太陽光を反射するシールドを前面に配したそのデザインは魅力的とは言いがたいが、何ともシズルビジュアルなのだ。その船名イカロスからしてプロジェクトに相反するが、人類の儚い未来を予感させる。そもそも地球を救うために太陽に核弾頭をぶち込むと言う設定が、イスカンダルにコスモクリーナーを受け取りに行くのとは全く次元が違うのである。
 太陽と核。神と人間。光と闇。希望と絶望。この映画は、2極の対立構造の果てに答えを求める弁証法的観念を感じたりもする。
 また、映画のベースは『クライシス2050』(別所哲也出てたっけ?)で、コンピュータとの会話に『2001年宇宙の旅』、オキシジョン・ガーデンに『サイレントランニング』、1号の生き残り?船長は『イベントホライゾン』を感じさせる。他にも『惑星ソラリス』や『スーパーノヴァ』等、過去の素晴らしいSF映画へのオマージュに満ちている。

 正直、いつものハリウッド風娯楽SF映画を期待するとガッカリすることになる。ボイル監督の嗜好と、太陽と対峙する哲学的な背景が合わないと辛いだろう。次第に太陽の神秘性に魅せられていくクルー達に感情移入出来ずにいると、ピンバッカーの出現で、???になってしまう。サールがカネダに問うた『カネダ!何が見える!?』の応えは聞こえてこないだろう。しかし、凝りに凝った太陽の描写や宇宙船のディティール。ラストのタイトルバックのダイジェスト映像と共にながれるロックに至るまで、正にブリティッシュSFの傑作。

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 この映画、何年後かには『惑星ソラリス』や『イベント・ホライゾン』の様なSFカルトムービーになっているかも知れない。ただ、カルトな内容であるとプロモーションでしっかりその辺を告知しないと、娯楽作を期待したお客さんには反発されるかも・・・。特に、1号内部に入った後、サブリミナル映像で予感させても、あのSUNフレディが出て来るとは思わんよね、普通。
 また、ポスターの日本版はキャプテン真田が先頭の真ん中に位置するが、海外版はキリアン・マーフィーが先頭で、真田船長は右端です。エンディングも各国違っているようですが、ご存知の方は、ぜひお知らせくださいませ。オーストラリアのオペラハウス以外の設定なのでしょうか・・・気になる。  人気blogランキングへ
 
 この原題『SUNSHINE』と言う映画は、マニアなSFファンに大画面スクリーンと優れた音響の劇場で観て頂きたい映画であります。

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