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『ブラッド・ダイアモンド』の輝き。 

   4つのCを持つ映画。
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 4月19日にオープンしたばかりの、大阪市最大のシネコン「なんばパークスシネマ」に行って来ました。同シネコンでの初の鑑賞は『ブラッド・ダイアモンド』。昨年秋にオープンのナンバ丸井にある「はんばTOHOシネマズ」の初鑑賞が『フラガール』で、これが最高だっただけに期待もしつつ劇場へ。8階のメインロビーでレイトショー・チケットを購入し、6階に降りると、ズラリと8つのシアターが左右に展開されている。おぉ、見事!なんだかこっちまでリッチな気分。このシネコンには、9階にも3つのシアターがある。また、カップルデート向けのプレミアムシアターや、旧作を1コイン500円で見せる1コイン上映が嬉しい(明日の記憶・砂の器を上映中)。

 さて、肝心の映画だが、このシネコンとも相当に相性が良い様で、ドンピシャの秀作に遭遇です。ディカプリオが『ディパーテッド』ではなくこの作品でオスカーにノミネートされたこと、エドワード・ズウイック監督作品と言うこと位は知っていたが、こんなに良いなんて嬉しい誤算です。人気blogランキングへ

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 物語の舞台は、最近映画界でも注目のアフリカ。大陸西部に位置するシエラレオネ共和国の海岸沿いの漁師町から始まる。美しいアフリカの夜明けと、一瞬にしてそれを打ち破る反政府武装集団のRUFの奇襲攻撃。何の罪も無い村人を次々に略殺し、投票出来ぬように腕を鉈で切り落とす。目を覆うばかりのバイオレンスの嵐。優秀な息子ディアや愛する家族と暮らす漁師のソロモンは、やっとのことで家族を救うが自らはRUFに拉致され、ダイヤの採掘現場で労働を強制される。
 一方、そのダイヤを密売する元傭兵のバイヤーがダニー・アーチャー(ディカプリオ)。彼は、この神もとっくに見捨てた土地アフリカを脱出することを夢見ている。TIA(=This is Aflica)とうそぶく彼は、母をレイプされ父を絞首刑で殺された過去を持つ男だ。そして、そんな二人と運命的に出会うアメリカ人女性ジャーナリストのマディ(ジェニファー・コネリー)。彼女は、不正規ルートのブラッド・ダイヤモンドの真実を伝えるための動かぬ証拠を求めていた。

 1つのダイヤに託された、異なる3人の3つの思い。3人の俳優が見事な演技のトライアングルで魅せる。主演のディカプリオは、この映画と前作『ディパーテッド』で、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞Wノミネートという史上初の快挙を達成。惜しくもオスカーは逃したが、新生ディカプリオの評価を完璧に揺るぎないものにしている。実際に元傭兵に取材し、アフリカーナ(アフリカ生まれの白人)の英語のイントネーションや複雑な感情、傭兵としてのスキルを学んだと言う。そして、語尾に「ハァー」と上げるイントネーションが印象的で、タバコを吸う仕草や目での演技が上手いと思わせる。大振りな演技ではなく、一寸した仕草や背中で伝えてくるのだ。
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 また、両サイドを固める漁師のソロモン役の『ジャイモン・フンスー』が良い。コチラは息子や家族と離散し、故郷を奪われた悲しみと怒りを全身で表現する。RUFに拉致され殺人マシンの少年兵に洗脳された息子との再会シーンは、観る者の胸を熱くする。『グラディエーター』で知った彼の存在は、この映画でもキーマンとしてシッカリと存在感を発揮していると感じた。
 そして、我々と同じ視点で圧倒的な現実と悲劇の前で、自らの非力さに葛藤する女性ジャーナリストのマディを演じたオスカー女優の『ジェニファー・コネリー』が、メイクも演技も素の魅力で魅せる。ワンス・アポン・ア・タイム・インアメリカでデビューした彼女も、早30代後半。ほんと、良い女優になりました。

 この映画には、アクションあり、ヒューマンやロードムービーの要素もあり、ラストまでの150分を一気に飽きることなくスクリーンに釘付けにする。ズウイック監督の特徴として、女性をあまり上手く描けないことや、クライマックスのハイライトシーンの後に長々と説明的なシークエンスが付くのだが、この『ブラッドダイアモンド』ではどれもが上手く機能している。映画プロモーションで、ダイヤには4つのC(カラット・カラー・クリアリティ・カットに加えてConflict=争い)があるといっているが、映画にも4つのCが必要だ。つまり、Creative/Catch/Charm/Critical。そして、この映画には、エンターテイメントや社会性などの総合的な要素Complexがある。GWに観たい映画を決めかねている人が居るなら、達也は迷わずこの『ブラッド・ダイヤモンド』をお薦めしたい。
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 言葉も無いほど美しいアフリカのロケーションと、「神も見捨てた土地」と劇中ディカプリオが語る悲惨なアフリカの現実。社会的なテーマを見事なエンターテイメントに昇華して魅せる『ズウイック』監督の手腕炸裂です。世界のマーケットをコントロールするダイヤ・シンジケートや、マインドコントロールされた少年兵の悲劇。善人の元教師ベンジャミン(ベイジル・ウォレス)やビーチBarのマスターメド(ンタレ・ムワイン)があっけなく殺されるリアリティが突き刺さる。
 ラストに近いハイライトシーンで、ディカプリオ演じるアーチャーが丘の上に静かに腰掛け、衛星電話でN.Yのマディに電話してソロモン親子を託した後、『今、凄くいいものを観ているんだよ・・・』と語る場面は、忘れられない名シーンになるだろう。何だか、『ブレードランナー』の(レプリカントをむ演じた「ルトガー・ハウアー」が笑みを浮かべて静かに眠りに着く)ラストに近い神々しさを感じたのは、達也だけだろうか・・・。しかしこの映画、その名に違わぬ100カラットの輝きを持つ中々の名作なのであります。

 いやぁ、ホント映画ってやっぁ・・・。

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『バベル』、はあなたを混乱させる映画だ。 

観た人の数だけ、BAVELが存在する。

バベル




★ネタバレあり!!
『21g』を事前に観て、こりゃポール・ハギスの『クラッシュ』にも影響を与えたな

なんて思いながら、試写会場の厚生年金・芸術ホールへと足を運んだのですが、

この映画『バベル』は、そのクラッシュを更に世界的規模の衝撃と激突に深化させた

感のある、実にヘヴィーな映画でした。

モロッコの放牧民の少年が放った1発の銃弾が、3つの大陸の4つの言語、

4カ国の人々の魂を貫き、混乱と悲しみの果てにやがて僅かな希望の光を放ちつつ

静かに終わる物語り。ただ、この映画はかなり観る人を選ぶと思う。

これでもかと容赦なく圧倒的演出で描き出される人間の生と性。

そして排泄や流血が混沌と一体となってスクリーンに押し寄せてくる。

愚かさや寂しさ。貧困と虚栄。

欺瞞に満ちた豊かさやコミュニケーションが、音を立てて崩れ、観る者に圧し掛かる。

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日本を舞台としたシークエンスでは、日本人としてとても海外では観たくないと思わせる

ショッキングなシーンの連続だ。しかし、コレが実に良く描けている。

日本に1度しか来た事の無い監督が撮った画とはとても思えないのだ。

正確に言うと、観たくない日本がただそこにある。

それは、今この世界を生きる誰もが隠すことの出来ないリアルなのだ。

だから、イタイ!故に、ツライ! 人気blogランキングへ

この暴力的な才能の『アレハンドロ・ゴンザレス・イニヤリトウ』監督は、

実に繊細且つ大胆に、欺瞞と言う名のソフィスケートされた我々文明人の感性を、

計算づくで徹底的にぶち壊してくれるのだ。

時間軸をずらした編集と、手持ちのライブなカメラワーク。

静と爆音の効果音。映画の持つありとあらゆる手法を駆使して揺さぶられる。

そう言えば、音楽と撮影は、ともに『ブロークバック・マウンテン』のスタッフ、

『グスターボ・サンタラオヤ』と『ロドリゴ・プリエト』だ。
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曖昧な浮遊感と荒涼とした砂漠。失踪する車と置き去りにされる魂。

繋がり合うのに必要なのは、言葉ではなく【愛】なのに。

人種と言葉と性差と国境。超えることの出来ない、見えない壁。

近いほど解りあえない孤独な魂達。地球を構成する最も小さな単位の国家である家族が、

解りあえず愛し合えず、苛立ち彷徨う。モロッコの砂漠で、メキシコの荒野で、

そして摩天楼の東京で・・・。

TVや携帯、メール。あらゆるコミュニケーション手段がありながら、

何一つ解り合えないもどかしさ。そんな喧騒と静寂の中に描かれるチエコと日本の孤独。

愛と情熱を持ちながらも、自国では暮らせぬメイドのアメリア(アドリアナ・バラッザ)の

見事な愁いを含んだ演技に魅せられ、刑事(二階堂智)とヤスジロー(役所広司)の背中に

やり切れぬ孤独を見た。
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批判の対象になるであろうケイト・ブランシェットの放尿も、モロッコの少年のオナニーも、

そして菊池凛子の無軌道に見える性衝動と全裸のヌードも、この舌を噛みそうな

名前の監督の優しさだとしたら・・・。

そして、この映画には、見た人の数だけ解釈があってもいいと思う。

凛子演じるチエコの書いた手紙の内容は、刑事の二階堂智にしか分からない。

しかし、それを感じる人の数だけ『バベル』は確かに、そこにある。

散らかり混乱したジクソーパズルの最後の1ピースを埋められるのは、

人間の愛とイマジンだけだと思わせてくれる映画なのだから。

チキショウ!!ホントに映画ってやつは・・・。

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『東京タワー』を試写会で観る。 

    嘘の無い映画に、ありがとうね。
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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン (出演 オダギリジョー) /

大阪フェスティバルホールに併設された、『リサイタルホール』で観てきました。

会場は8割以上がオダジョーのファンと思しき若い女性達。

そしてチラホラ、大阪のオカンとオトンの姿も・・・。

スクリーンがワイドに開いて試写が始まると、いきなりオダジョーのナレーションから

映画は始まります。 

今回オダジョーがこだわったと言うナレーションは、中々いい感じであります。

まだ幼いボク(オダギリジョー)が、オカン(内田哉子)とオトン(小林薫)と

小倉で暮らしている少年時代を回想するシークエンスで、いきなり笑わせてくれます。

この映画は、もちろん涙無くしては観れないのですが、いい感じのツボで

結構笑わせてくれるのです。だから、より一層後半のオカンとの永久の別れが

切なさを増して迫ってきます。当然、観客のほとんどは原作を読んでいるか、

テレビ版『東京タワー』を観ている筈。となれば、冒頭からいきなりハンカチ片手に

じっとスクリーンを潤んだ瞳で見つめる事になるわけです。が、しかし。

この映画版は、単に泣かせてやろうか、という意図はあまり感じられませんでした。

本来なら、ここでもう一押し、オカンがミズエに宛てた手紙の朗読シーンがあれば、

涙腺決壊確実!と、わかっていても、あえてそれはしませんし、オダジョーも、

つとめて自然で嘘の無い演技で淡々と魅せてくれるのです。人気blogランキングへ

そして、オカンの樹木希林、オトンの小林薫の恐るべき演技力が、この映画に

リアリティを見事に付加しているのです。
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そして最近、抑制の効いた演技が光るオダジョーの静かなオーラがグッと

伝わってくるようで、ぐいっとスクリーンに引き込まれていきます。

取り立てて泣かせる山場を作っている訳でもなく、劇的なシーンが続くわけでも

ありません。オカンとオトン、そして情けなくだらしないボクとオカンの日常が

ユックリ柔らかく流れてゆきます。そして、そこに、この映画の誠実さとリアリティが

有る様に思えるのです。ラスト近く、オカンの命の灯火が消えようとするころには、

スクリーンをまともに観る事すら不可能なほど涙腺が弛緩してくる訳なのです。

また、音楽も素晴らしく、上田禎のストリングスが胸に切なく迫り、

ラストの福山雅治の『東京にもあったんだ』で、とどめを刺されます。

間違い無く、全てのバカ息子は涙するでしょう。

達也も、『涙そうそう』の100倍泣けましたから。

『ボクの為に人生を生きてくれた人』と言うボクのナレーション。

余命幾ばくも無いオカンが『味噌汁あるけん、温めて食べンしゃい』と言い、

ボクが『オカン、なにを言う・・・』と言うシーン。

そして映画のポスターにもある、オカンの手を繋いで横断歩道を渡るシーンは、

何でもないけど、何度も泣けた!

キョンキョンや柄本明、仲村トオル、宮崎あおいのカメオ出演も見逃せません。

親子リレー競演の内田哉子も若い日のオカンを好演しています。

原作に忠実で、ゆっくり、じわりとくる映画です。

さて、14日からのロードショーで、も一回泣きますか。

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『蟲師』は、世界と共生する。 

  
蟲師は観るではなく、感じる映画。
ただ、あるがままに・・・。


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公開初日の24日に、梅田のブルク7で観て来ました。

当日は、1回目と3回目にオダジョーの舞台挨拶があるとあって、全席ソールド・アウト。

達也の観た2回目は舞台挨拶が無いにも拘らず、ほぼ満席。仕方なく、映画人生初の、

最前列からの鑑賞となりました。しかも、左サイド。なんじゃこの角度は!!!

そんな場所と角度から見たせいか、ほかのレビュアーの方々とはちょっと違う評価と

レビューになっております。

なんせ、この角度から観ようとすると、画面の早い動きに視線が追いついて行かない。

しかも、注意力を削がれるので、音声にも非常に注意しつつの鑑賞を強いられる。

よって、目と耳を総動員して、必死でスクリーンに対峙したのでありました。

さて、肝心の映画ですが、世界を震撼させた劇場アニメ『AKIRA』の

大友克洋監督による実写版の映画だ。   人気blogランキングへ

漆原友紀原作の人気コミック「蟲師」をベースにしたこの作品は、エンタメ系と言うより、

アート系に近い仕上がりになっている。しかも、原作や評価の高いアニメ版のファンには

納得しがたい要素も多く、現時点ではあまりいい評価を聞かない。

しかし、原作や優れたアニメ版をそのままトレースするのであれば、

わざわざアニメ出身の大友監督が実写の映画版を作る必要も無い。

大友監督は世界のワールドワイドなオーディエンスに向けた深いメッセージを、

この実写版・映画『蟲師』に込めているように思えたのだ・・・。

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映画のオープニングシーンは、雲海が漂う山の斜面にカメラがゆっくりとズームして

ゆく事から始まる。蟲をイメージさせる不思議な音が流れ、荒いトーンのフィルムの

スクリーンに、大粒の雨が降っているのが分かる。カメラがさらに寄ると、

山の斜面を縫うように一本の道が伸びており、そこを進む母子の姿が映し出される。

降りしきる雨の中、次の村落へと急ぐ母子。木々の間からは、蟲がゆっくりと中を舞う。

すると、突然山が崩れ、土石流が母を飲み込み押し流す。

少年が土砂に埋もれた母を捜している姿を、銀髪の女ヌイの肩越しに映し出す。

雨に煙る深い日本の山谷。幽玄な響き。

それだけですっかり源日本のDNAが覚醒される。

達也としては、いい感じで大友版『蟲師』の世界に入って行けた。

そもそもこの映画版は、マンガにある4つの話、「やわらかい角」「筆の海」、

そして「雨がくる虹がたつ」と「眇の魚」を組み合わせてさらにアレンジして作られている。

そこに、大友監督が込めたメッセージも加え演出されているのだ。

そして、そのメッセージとは、『いまある世界との共生』では無いだろうか。

主人公のギンコ(オダギリジョー)は、『蟲師』と呼ばれる漂白の者だが、

彼は決して蟲を退治する訳ではない。あるべき場所へ戻すと言ったほうが良いだろう。 

だから、4つ選ばれた原作の物語の『やわらかい角』を冒頭に持ってきている。

この話しは、『阿』と『吽』と言う一対になった蟲の話しだが、音を食らって奪う蟲と、

角を人面に作って音を出す蟲が、自然界のバランスを象徴している。

そして、蟲師のギンコは、そのバランスを元に戻してやるだけなのだ。

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また、生まれながらにして禁種の蟲を宿す淡幽(蒼井優)は、蟲に寄生されながらも、

文字で蟲を封じ、蟲を愛でる。映画のハイライトでもある淡幽が菜箸で蟲(文字)を書に

封じるシーンでも、蟲を殺したりしない。ただ、書移す(写す)である。

トコヤミが覚醒して弱ったギンコは、旅の道中で人を蟲から癒し、自分もまた癒される。

それが、この対立と戦いの連鎖にまみれた現代世界へのメッセージに思えるのだが・・・。

ただ、ちょっと分かりにくいのが、ヨキ(=ギンコ)を探して旅を続ける

謎の蟲師のヌイ(江角マキコ)の存在だ。母を亡くしたヨキを救い、

自分の息子の面影をヨキに見たヌイは、ヨキを遠ざけようとするが、

ヌイを慕って着いて来るヨキを、図らずしもギンコに変えてしまう。

自らがトコヤミに犯され、トコヤミと成りつつ、トコヤミを半分持つ類稀な蟲師

『ギンコ』を覚醒させたのだが、このプロットからは分かりづらい。

特に、ヌイが連れている聾唖の男が分からない。ラスト近くで光脈筋に近い小屋で、

子供を殺していた様に思える。目が見えぬヌイと聾唖の男は補完し合う

関係と見て取れるが、子供殺しは意味が分からない・・・。

ただ、ヌイとギンコが再び出会うことでヌイは光に包まれ癒された。

そしてギンコは、蟲をヌイに集めてやる手はずを整え、一人旅立つ。

再び、人を癒し、自らが癒され、そしていつかトコヤミを完全に封じる

真のギンコとなる為に・・・。
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当然、映画は観る人によって賛否両論あるだろうし、つまらない映画も多い。

ただ、この『蟲師』は、多くの可能性と魅力に溢れた秀作なのだと達也は感じる。

もちろん、単なる蟲の知らせを拡大解釈しているのかも知れません。

この映画を直感的・右脳で捉えたら、そう感じるだけなのです。

つまらないと感じたら、蟲が好かないだけなのですよ、キット。

そして、またそれも正解。

しかしこの映画、見事なVFXと琵琶湖周辺の圧倒的に美しい源日本のロケーションを

観るだけでも、価値があります。

近頃日本の自然が破壊されたと言う話しをよくに耳にしますが、

どっこい捨てたもんじゃない。

破壊されたのは、日本人の心のほうかも知れませんよね。

いゃあ、映画ってヤツは・・・ホント。


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↓ 達也も読みました。映画の???を、補完してくれます。
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『ドリームガールズ』に酔う ! 

    夢見るチカラ。
  それがスターの才能でもある。

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1981年の12月20日に、ニューヨークのブロードウェイにあるインペリアル・シアターで

オープニングを迎え、大ヒットとなった「マイケル・ベネット」演出の「ドリームガールズ」。

そのブロードウェイ・ミュージカルを、「ビル・コンドン」監督が映画化したのがこの作品。

ショービズの世界に憧れ、夢見る3人の少女がほんの小さな切っ掛けをチャンスに変え、

スターへの階段を駆け上がり、やがて華やかなスポットを浴びて夢を手にする。

そして傷つき、失くした物の大切さに気付いて再び歩き出す。

正にゴールデン・サクセスストーリーだ。 

『ドリームガールズ』の前身である『ドリーム・メッツ』のメンバーは、

ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィー(ジェニファー・ハドソン)、

そしてローレル(アニカ・ノニ・ローズ)。三人は、モータウン誕生の地デトロイトで、

オーディションに励む日々。遅刻して何とか滑り込んだステージでチャンスを掴み、

ショービズの海原へと船出することになる。   人気blogランキングへ

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オーディションのオープニングから、3人のパフォーマンスは圧倒的だ。

スタンディング・オベーションと喝采に包まれ、オーディションは当確かと思われたが、

いち早く彼女たちの才能を見抜いた、中古車販売を手掛けるカーティス

(ジェイミー・フォックス)は、人気歌手のジェームス(エディー・マーフィー)の

コーラスとして契約の話しを持ちかける。

この黒人レディ3人のトリオはダイアナ・ロスとシュープリームスがモデルとされているが、

『ビョンセ』と来れば、デスチャのトラブルともリンクして面白い。

デビュー時から、キナ臭いカーティスだが、彼もステージとブラックミュージックに

夢を見た男の一人だった。

やがて白人リゾートのメッカであるマイアミのステージに立ったジェームスと3人は、

新しい岐路に立たされることになる。スターダムを駆け上がる『ザ・ドリームス』の3人。

その後姿を寂しく見つめる事になる過ってのスタージェームス。

マネージャーのカーティスは手段を選ばず、彼女達を売り出すことに全てを賭ける。

そして、『ザ・ドリームス』の3人にも転機が訪れる事になる。
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リードボーカルをエフィー(ジェニファー・ハドソン)から、白人に受けるルックスの

ディーナ(ビヨンセ)に変えるとカーティスが言い出したのだ。

作曲を手掛けるC.Cもそれに同意するが、それを聞かされた

エフィー(ジェニファー・ハドソン)の表情が切なく胸を熱くする。

カーティス達の作戦は見事に的中し、新生『ドリームガールズ』は、

さらにヒットチャートを駆け上がることになるのだが・・・。

それにしても『ジェニファー・ハドソン』のパフォーマンスは圧倒的だ。

自らの心象を歌い上げる様は、鳥肌もの。

しかし、この映画のキャスティングは、残酷なまでにかなりシビアだ。

落ち目のスターのジェームスに「エディー・マーフィー」、美人だがソウルの足りない

リードボーカルに「ビョンセ」。実力があるがルックスと協調性に欠ける

エフィーに「ジェニファー・ハドソン」を起用するなど、リアルな世界とシンクロさせて、

一層のリアリティをスクリーンに感じさせるのだ。

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マイノリティの黒人が、ソウルを売って夢とドルを手に入れる。

女達の夢と友情。男達の野心とマネー。愛と葛藤、光と影が織り成す

目くるめくスピードとハイ・テンションでで70年~80年代を描いて、魅せる。

達也は、コメディタッチでないエディー・マーフィよりも、『コラテラル』の軽妙な役から

今回のシリアスなカーティスを演じた『ジェイミー・フォックス』。

圧倒的歌唱力でオスカーを獲得した『ジェニファー・ハドソン』より、

自らトリックスターを演じて見せた『ビョンセ・ノウルズ』に注目した。

それにしても、流石ハリウッド。

正にブロード・ウェーを全速力で駆け抜ける

ゴールドのキャデラックの様な映画なのでありました。


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『それでもボクはやってない』を観た。 

ボクを本当に裁けるのは、僕だけなのだ。

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『それでもボクはやってない』を、観てきました。

劇場は、久々の『TOHOシネマズなんば』。しかし、3月に入って初レビューです。

実は、2月の中旬からナナ何と、ついに花粉症になってしまった様なのです。

しかも達也の場合、鼻とか目とかではなく、頭がボーなのです。

ボケがきたわけではありませんので、くれぐれも!!

しかし、アレルギー反応が出た訳ではないので、確定したわけではありませんよね。

一度、医者で正確に調べてもらはねば・・・。

さてさて、肝心の映画ですが、結構良かったのだ、コレが。

当初予定していなかったのですが、いろんな人のレビューを観たり、

『硫黄島』『スクラップへブン』『ハチクロ』・・・と、加瀬亮の出演作を観るうちに、

チョッと頼りなくも親しめる彼のキャラが面白く、結構演技も良い感じなので、

ふらりと『それボク』へ行って参りました。

監督は『周防正行』。  

何と、大ヒット作『Shsll we ダンス?』からこの映画が11年振りのメガホン。

徹平の弁護士には周防映画の常連『役所広司』、息子を信じる母を『もたいまさこ』。

そして、一緒に戦う親友を『山本耕史』が好演している。

待ちに待った周防監督だけあって、本格的な法廷劇と、日本の刑事裁判のあり方に

真っ向から挑んだ中々の意欲作だった。   人気blogランキングへ

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物語は、就活中のフリーター金子徹平(加瀬亮)が、面接に向かう列車から降りた途端に、

一人の女子中学生に腕をつかまれ、痴漢の犯人として現行犯逮捕されて

しまうことから始まる。それは、誰にでも起こりうる悲劇。

しかし、加瀬亮の視線を通じて見せられる警察の取調べ、否認、

そして拘留へのプロセスは、笑い事では済まされない。

そう言えばテレビで観たような・・・、しかし、我が身にそれが起きたとしたら、

加瀬亮演じる徹平同様、刑事の半分脅しの尋問に抗する術も無く、

やってませんと言うのが精一杯なのだろう。だが、それでは徹平同様冤罪のまま、

手錠をかけられて拘留され、仕事を持つ身の社会人であれば、泣く泣く

やってもいない罪を、認めて示談金を払ってしまうのかもしれない・・・。

そして、そこに冤罪と言う別の恐怖が生まれるのだ。

この映画には、派手な演出も、過剰な演技も何も無い。ただ、淡々と

ドキュメンタリーに物語が進行し、それがリアリティーとなって観客に真っ直ぐに届く。

だからこそ、『十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜(ムコ)を罰するなかれ』と言う台詞や、

ラストカットに被る『どうか私(たち)を、あなたたち自身が裁いて欲しいと思うやり方で

裁いてください』という言葉が活きてくる。

新証人の登場や再現ビデオでの発見で二転三転させる法廷劇も見モノだが、

小細工を弄さずに日本の刑事裁判を真っ向から描いた周防監督の心意気に、

拍手なのだ。

それにしても、これはケッコウ良いかも、そんな風に軽い気持ちで観にいった映画が、

予想以上に良かった事に嬉しかったり驚いたり。それもまた、映画の魅力。

だから、映画は止められないね。

そう言えば、元プロボクサーの冤罪を主張する元裁判官のニュースが、

最近テレビを賑わせております。

これもこの映画の追い風になると良いのですが。

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『黒澤明vs.ハリウッド―』を、読んで観る-2 

黒澤明、かく語りき。

トラトラトラ! トラトラトラ!
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「トラ・トラ・トラ!」という題名は、27年前、日本海軍がハワイの太平洋艦隊基地・

真珠湾を奇襲攻撃した時、その成功を報告した指揮官機の発した無電暗号から

とったものであります。その点からもおわかりかと存じますが、

この作品は真珠湾攻撃が主題になっております。

しかし、これはいわゆる興味本位の戦争映画で゛はありません。

両国側ともに、出来うる限り正確に事実を描き、この歴史的な事実について

冷静に語り合おうという態度を根本方針ににしております。

つまり、これは勝利の記録でもなければ敗北の記録でもなく、一口に言えば、

2つの国の誤解による優秀な能力とエネルギーの浪費の記録です。

私はこう言う悲劇は二度と繰り返してはならぬと世界の人に呼びかけたいのです・・・。

ご承知の様に、映画と言うものは世界共通の言語であります。

この作品はそのスケールから見ても、世界の隅々まで行きわたり、

じかにあらゆる人々に話しかけるものになるでしょう。

それは世界の人々に日本及び日本人と言うものを理解して貰うための、

初めての、そして最も大きい機会であると考えます。

と同時に、私は日本の若い世代の人達にも日本にはかつてこれだけのエネルギーと

才能があったという事実を改めて認識し
、自身と良識を持って未来の世界のために

建設的に生きて欲しい言いたいのです。

この作品は一映画人としてはあまりにも重要な国際的意義を持つ作品であります。

私は単に私たち映画人のみならず、日本人の人々の大きなご協力を得て

初めてこの映画の製作が意義あるものになると信じております。

その為、現在各界に於いて活躍しておられる方達を中心としたこの映画

への積極的な参加態勢を得たい
と思い、私の所信を申し述べてご協力を

お願いする次第です。

(黒澤明と20世紀夫オックスが、1968年10月下旬に『トラ・トラ・トラ!』製作にあたって、
全国紙に掲載した全面広告より)


第二回目に、この黒澤明の所信の全文をご紹介したのは、この所信の中に、

黒澤監督解任多くのヒントと回答が隠されていると感じたからです。

そして奇しくも38年後、クリントが硫黄島二部作の所信を新聞全面広告として

発表することになったのは、単なる偶然なのでしょうか・・・。

to be contenuum・・・・・


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『黒澤明vs.ハリウッド―』を、読んで観る。 

20世紀映画界最大の謎。
映画の怖さと素晴らしさ。


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黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて / 田草川 弘

日本人にとっても、世界の映画ファンにとっても、黒澤明と言う監督は

映画の歴史にそびえる巨大なランドマークであり、避けては通れず、

見過ごすにはあまりに大き過ぎる存在だろう。

達也が映画を見始めたころには、黒澤は世界の黒澤であり、

『影武者』の勝新太郎との衝突、解任劇をへて『乱』へと至る、

後期の黒澤明しか記憶に無い。 人気blogランキングへ

また『赤ひげ』以降の彼の映画は、同じ監督のものとは思えないほど

あまり良いとは感じられずにもいた・・・。

しかし、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞の『羅生門』から『七人の侍』、

『隠し砦の三悪人』、『赤ひげ』と続く彼の作品を並べてみても、小津安二郎、溝口健二、

成瀬巳喜男らと共に、世界に誇れる日本屈指の名監督の一人であることは間違い。

映画がモノクロからカラーに変わり、テレビの普及と映画の斜陽化。

そして、時を同じくして黒澤を襲った悲劇は、彼の描こうとしたシェイクスピアの

悲劇と相似的関係であり、また邦画が娯楽の王様から転落してゆくタイミングとも

シンクロして、非常に興味深いものがある。

その時に黒澤監督が手掛けたエポックな映画が、20世紀フォックスが

社運を賭けた超大作映画、日米合作の『トラ・トラ・トラ』である。

その―『トラ・トラ・トラ!』の解任劇を巡る謎に迫って黒澤を新しい視点から

描ききった傑作が、田草川 弘著作の『黒澤明vs.ハリウッド』だ。

この本を書店で目にし、あまりの面白さと多くの発見に、ぜひこの映画レビューで

採り上げたいと思っていた。

そして、黒澤とハリウッドが果たせなかった20世紀の映画の夢を、

昨年『クリント・イーストウッド』監督とそのクルー達が、

違う形ではあるが達成したことと関連させて考えてみたいと思うのです。

ただ、書籍だけでも500ページ近いボリュームがあり、

黒澤が世界の映画界に与えた影響(ルーカスやコッポラ、スピルバーグ)

も含め、数回に分けたレビューにしたいと考えております。

to be contenuum・・・・・


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